論理的OR は OR ではない

当時35歳 思考

「ランチセットには、コーヒーまたは紅茶が付きますが」

「じゃあ、両方で」

って言うか?

「当選された方には、ペアチケットまたは商品券プレゼント!」

「じゃあ、両方で」

って言うのかね? 論理学者の皆さんは。

論理学者が「OR は AND を含む」と定義するはるか以前から、自然言語を自然に用いている自然な人々の間では、「OR は AND を含まない」ものとして自然に扱われてきた。

もちろん、曖昧さはあったかもしれない。時には AND を含む場面で OR を使っていたかもしれないけども。

どう考えても AND を含まない用法のほうが主流だろ。

初期の論理学の構築には ∧ と ∨ という2つの記号が重要で、それを AND OR と呼ぶのがさぞかし都合が良かったのだろうとは思うが、そんな論理学者の勝手な都合で、いまや OR の意味が世界中で混乱しているのだ。

「AND を含まない奴は、 XOR と呼べばいい」

なーにが eXclusive OR だ。勝手にも程がある。

むしろおまえらの言う「論理的OR」を Inclusive OR と呼べ。 IOR と呼べ。

XORこそ本来の、我々が長年使ってきたORだ。

ORを一般市民に返上し、論理学者は A ∨ B を "A ior B" と読め。 xor より読みやすいし、何の問題もなかろう。

さて日本語訳をどうしよう。従来、  A ∨ B は 「AまたはB」と読まれてきたが、「または」を市民に返上する以上、日本語らしい読みを新たに制定する必要がある。

決定打ではないが、現時点での私の提案は、「かつ」と「または」を合成して「かまた」としてはどうか、というものだ。

A ∨ B は「AかまたB」と読む。

当然、蒲田行進曲で有名な蒲田駅は「∨駅」と改名することが可能になり、「JR∨京急」という、絶妙に名実の調和の取れたキャッチフレーズで一躍世界的に有名になるだろう。