なぜ謝るのか

当時28歳 思考

「謝って欲しい」という心理が、どうも理解できない。

僕自身は、誰かに「謝って欲しい」と思うことは無い。
それによって何か事態が好転するかというとしないし、僕の気が鎮まるのかというと、そもそも鎮める必要があるほど激昂しない、ということかもしれない。
謝らなくても良いから、事態を改善するか、代替サービスを提供して欲しいと思う。

例えば僕が私物のビデオプロジェクタを友人に貸して、壊れて戻ってきたとしよう。
僕は別にそんなことで腹は立たないし、誰がどうやって壊したかもまったく興味は無い。
もちろん、「謝って欲しい」などとは思わない。
欲しいのは、損失を如何にして埋め合わせるかという提案であって、それ以外には無い。

そんな風に考えているせいで、自分が謝るべき立場に立った際も、ついつい「ごめんなさい」よりも先に提案をしてしまう。これがしばしば、言い訳とか、事態を軽んじている、と取られるようだ。
想像以上に、「ごめんなさい」を求める人間は多い。気をつけなければならない。
実質的に無意味でも、その言葉によって相手の気が鎮まるなら、言う価値があると思っている。